冨永龍司
- 財政について
- 行政経営について
- 産業振興について
◆18番(冨永龍司 さん) つなぐプロジェクトの幹事長の冨永龍司でございます。
まず、3月に行われました区長選挙において見事勝利し、新区長となられた服部区長にお祝いを申し上げます。
服部区政が実現し、第18期区議会がスタートしたことを機に、台東区議会に新たな風を起こすべく、若い期数の議員4名にて、政党や既存のしがらみにとらわれることなく、「すべては区民のためだけに」をキャッチフレーズとした、新会派、つなぐプロジェクトを結成いたしました。
つなぐプロジェクトは、未来へつなぐ、地域をつなぐ、行政と区民をつなぐという3つのつなぐの実現を目指し、現場に足を運び、区民の皆様の声を聞く努力を怠らず、誰もが住んでいてよかった、住み続けたいと思える台東区実現に向けて、全力を尽くしてまいります。
それでは、会派を代表して、服部区長に大きく3点伺わせていただきます。
初めに、財政運営について伺います。
本年4月10日には、日経平均株価は、15年ぶりに一時2万円を超え、5月下旬には連続12日間上昇と、歴代3位の長期上昇となりました。また、給料賃上げの記事なども、新聞報道でよく見かけるようにもなりました。賃金上昇など、区民の所得が上がれば、区の税収である特別区民税も増額となってまいりますし、区の歳入であります地方消費税交付金も、昨年4月の消費税8%へと税率がふえたことにより、増額となります。27年度の一般会計当初予算を見てみると、特別区民税は約161億円で、昨年に比べて約4億5,000万円の増額、地方消費税交付金も約15億7,000万円の増額と計上されております。
吉住前区長が在任期間中において、歳入・歳出のバランスを保った財政運営を努めたことにより、平成26年度末の区の基金残高は348億円、区債残高は189億円と、財政基盤はかなり安定してきております。確かに、リーマンショック以来、かなりの厳しい財政状況に比べて区の財政に明るい兆しが見え出しているようにも見えます。
しかし、行政需要を考えると、区有施設の老朽化対策では、平成26年7月に作成された台東区施設白書によれば、延べ床面積100平方メートル以上などの対象施設108棟のうち約80%である85棟が、今後10年間で建築後30年以上となり、大規模改修や改築工事による多額な費用が必要となってきます。試算では、今後30年間で約1,000億円、年平均で約35億円の改修・改築コストが必要です。さらに、この試算の基準単価には、上昇している建築費の上昇分は加味されていないので、今後、さらなるコスト増が見込まれます。
また、今年度からスタートした子ども・子育て支援新制度では、現行の次世代育成支援計画で、27年度から3年間で認可保育園・小規模保育所を各3園、こども園を2園、新設するなど、その開設準備経費や運営経費が大幅に増額となります。国も、待機児童ゼロに向けた取り組みや、女性の就業支援に力を入れてきている現状を考えれば、区民の期待も上がり、ますます保育施設の需要が高まるでしょう。
現に本区も、本年3月の補正予算で27年度中に計画外の認可保育所を2園ふやすことといたしました。そして今回の補正予算でさらに計画の前倒しをして、1園新設すると予算計上されています。待機児童対策として、保育所施設を早期に拡充することは大変評価しておりますが、その分、開設準備経費やランニングコストは増加します。それに加え、子供の人口増加に伴い、学校施設の整備や子ども医療費助成など、子育て支援経費は、今後大幅な上昇が予想されます。その財源を賄うべき地方消費税交付金は、区が支払う消費税と法人住民税の国税化による特別区交付金の減額を加味すると、28年度ではマイナスになるとの試算もあり、消費税10%に引き上げられたときも、さらなる法人住民税の国税化により、特別区交付金のより一層の減額が懸念されます。
ほかにも、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みや、特別養護老人ホーム等の建設費用を含む高齢者対策、耐震化・不燃化等の災害対策など、多額な費用が見込まれる課題は多数あります。つまり、台東区は、依然として厳しい財政状況を続けていかざるを得ないと考えます。
服部区長が就任前の、27年度予算編成の基本的な考え方では、依然として楽観できる状況にないとの認識が示されていますが、服部区長は、今の区の財政状況をどのように認識し、また、今後どのように財政運営を行っていこうとしているのか、区長のご所見を伺います。
次に、行政経営の推進について伺います。
財政状況が依然として厳しい台東区の現状では、区民からの新たなニーズや、より充実させるべき事業をしっかりと実現していくためには、今後とも着実に行政経営の推進を行っていかなくてはなりません。行政経営の推進を実施していくというのは、永遠の課題であるはずです。現在、台東区の抱える行政経営の課題は、山積していると考えます。
例えば、区有施設の維持・保全・適正化。先ほども触れましたが、区は昨年、台東区施設白書を作成し、施設の利用状況や管理運営経費等の基本的な情報の集積・検証を行い、更新費用の試算や、区有施設の整備に当たっての基本的な方針を示しました。白書の調書データや基本方針をもとに、今年度中にも保全計画が作成されることとなっており、大変評価しております。
制度変更や時代の移行による行政に求められる施設は変化します。限られた区有施設をより行政需要に合った有効的な施設へと転換していかざるを得ません。建てかえや大規模改修が必要な老朽化施設は、検証に際して現状の機能のまま建てかえ、修繕、改修を行うのではなく、当然、複合施設としたり廃止するなど、施設の統合、再編の検討が必要となってきます。活用内容が類似する施設については、再編、統合を視野に入れた整備計画も検証するべきであり、ファシリティマネジメントをしっかりと活用した保全計画を作成しなければなりません。
また、外郭団体のあり方についても、社会情勢も変化し、区が外郭団体に求めている役割も、平成19年の財政支援団体検討会最終報告のあり方から変化してきています。現在、検討組織において議論がなされていると思いますが、早急に結論を出さなければなりません。さらに、それらの外郭団体が、非公募で区有施設の管理を受託している指定管理者制度についても、制度が開始されてから10年以上が経過しており、指定管理における外郭団体の扱いや、区有施設の管理運営主体についての再検討、委託料や指定期間、継続特例等の見直しも必要です。運用指針の見直しについては、外郭団体のあり方についての結果を待って行うこととなっておりますが、しっかりとした改善が必要です。
の充実についても課題があります。スマートフォン等の普及もあり、常時大量の情報が流通している現代社会において、情報を受け取る側が興味を持ってもらえるような工夫がなければ、情報として認識してもらえない時代となってきております。4月に戦略的な広報活動の推進に向け広報課を新設しましたが、残念ながら広報戦略は決して行政の得意とする分野ではありません。台東区のブランド力向上に向け、民間活力の導入を図り、広報機能の充実を図るべきです。
さらに、庁内のICT活用推進や、債権者管理条例の制定を含む収入未済対策、計画事業を着実に実施していくための進捗管理を含めた行政評価の見直しや、ワークライフバランスの促進など、行政経営の課題は山積しております。
昨年12月の企画総務委員会で、行政経営の推進については、平成17年度に策定した行政経営推進プランではなく、行政経営の推進の着実な実施に向け、3年間で取り組む主な事業を新たに行政計画の中に位置づけ実施していく旨と、理事者より答弁がありました。
区長に就任して3カ月、台東区の行政経営における課題点をどう認識し、今後どのように進捗していくのか、服部区長のご所見を伺います。
最後に、産業施策について伺います。
先日、区長の所信表明において、「躍進台東 新しい台東区」実現に向けての5つの考え方が示され、その第1が、元気な地域産業と商店街の創造でありました。本区の産業振興を第1に掲げられたという服部区長の並々ならぬ思いを受け、産業振興について質問させていただきます。
の中小企業の景況によれば、平成27年1月から3月期の調査において、サービス業の売上額は水面下ながらやや改善したが、製造業・卸売業・小売業ではいずれも売上額・収益ともに厳しい状況が続いております。そこで、服部区長は、区内産業の現状をどのように認識され、どのような課題点があると考えておられるのか、ご所見をお伺いします。
今までにも本区は、地場産業の活性化や創業支援など、さまざまな振興施策を行ってきました。その結果から得たものは大切な区の財産であり、特に台東デザイナーズビレッジや浅草ものづくり工房などから得た実践でのノウハウは得がたい財産であります。それら実践から得た得がたい財産を、ぜひ役割を強化した産業振興事業団においてノウハウを分析させ、区内事業者にフィードバックさせるべきと考えます。
今年度より個別事業者への支援体制を構築するため、産業振興事業団の機能を強化させましたが、区長としてどのように生かしていこうとしているのか、区長のご所見を伺います。
そして、観光立区を掲げている本区として、観光も大切な産業です。東京オリンピック・パラリンピック開催も控え、増加する来街者が過ごしやすい環境、すなわち観光インフラの整備は急務です。区長も所信表明の中で、国際文化観光都市として、国内外からの来街者を受け入れるため、都市基盤の充実や一層の国際化の推進を図る必要があると述べられています。特に外国人観光客においては、無料公衆無線LANの整備は不可欠であり、ただ整備するだけではなく、規格の統一は利用者の利便性の面からも必要であると考えます。また、区有施設への拡充など環境整備も必要と考えます。
そこで、無料公衆無線LANの整備促進に向けた区長のご所見を伺います。
障害をお持ちの方々や高齢者、子育て中の方々も安心して台東区へお越しいただける環境を整備していくことも重要です。本区は、台東区バリアフリー基本構想が作成され、バリアフリー特定事業計画も策定されましたが、今後、東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、国際文化観光都市としてのバリアフリー化に向けての計画を充実し、ユニバーサルデザイン施策のさらなる推進を早急に図るべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
以上で私の代表質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(太田雅久 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
区長。
(区長服部征夫さん登壇)
◎区長(服部征夫 さん) 冨永議員のご質問にお答えいたします。
ご質問の第1は、財政についてでございます。
まず、財政状況に対する認識についてです。
私は、このたび補正予算を編成するに当たって、財政状況を確認し、本区の財政には、歳入歳出の両面においてさまざまな課題があり、決して楽観できる状況にはないと認識をしたところであります。
次に、今後の財政運営についてです。
今後の歳入につきましては、消費税率10%への引き上げ時における法人住民税のさらなる国税化による影響で、特別区交付金の減が懸念されるなど、その見通しが不透明な状況であります。また、歳出においては、議員ご指摘のとおり、増大するさまざまな行政需要を抱えております。私は、このような状況においても、区民福祉の充実を図る諸施策や新たな行政需要に対応するため、基金や特別区債を慎重かつ有効に活用しながら、効果的な事業の執行に努めてまいります。今後も区民生活に支障が生じないよう、また、将来にわたって区民の皆様が安心して生活できるよう、中・長期的な視点に立った安定的な財政運営を推進してまいります。
ご質問の第2は、行政経営についてでございます。
まず、課題の認識についてです。
地方分権や少子高齢化の進行など、本区を取り巻く社会経済状況が変化しており、区有施設の老朽化への対応、その施設運営の担い手でもある外郭団体の役割、債権管理や収入未済対策など、複雑多様化した行政課題があると認識いたしております。今後はそれらの課題に対して経営的な視点から、効率的・効果的に取り組むことが重要と考えております。
このたび策定いたしました行政計画におきましても、今後3年間で重点的かつ優先的に取り組むべき事項として、区有施設の老朽化対策、収入確保対策、収入未済対策などを位置づけ実施してまいります。
ご質問の第3は、産業振興についてでございます。
まず、区内産業の現状認識と課題についてです。
本区は、製造業や卸・小売業など、多様な地場産業やにぎわいのある商店街により、まちの活性化が図られてまいりました。しかしながら、いまだ多くの事業者が経営上の課題として売上高の停滞・減少を上げており、依然として厳しい経営環境が続いております。景気回復に向けた中小企業対策は、区政として取り組むべき重要な課題であります。そのため、中小企業の経営基盤の強化や企業力の向上を図るとともに、創業・起業の支援や、次代の産業を担う人材の育成など、本区の持つ産業集積の魅力を向上させるための施策を展開していくことが必要であると考えております。
次に、産業振興事業団についてです。
本年4月、これまで区が行っていた商工相談や専門コーディネーター派遣などに加え、関連する中小企業経営支援機関とビジネス支援ネットワークを構築するなど、事業団の機能強化を図ったところであります。今後、事業団が行う各支援機関の専門性を生かしたきめ細やかな支援を通じて、さまざまな知識や経験が蓄積されていくものと考えております。また、区においても、これまでの個別事業者支援の実践で得られた貴重な経験が蓄積されております。これらの情報を区と事業団が互いに共有することで、事業団における支援策の強化につなげることはもとより、本区における産業支援施策の総合的な企画立案に生かしてまいります。引き続き事業団との連携を密にし、ビジネス支援ネットワークの拡充など、区内中小企業に対する経営支援の強化を図ってまいります。
次に、無料公衆無線LANの整備についてです。
私も、無料でインターネットが利用できる環境の整備は、来街者に対するおもてなしとして重要であると認識しております。国は観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014において、外国人旅行者受け入れの重要な取り組み事項として、その整備を掲げております。東京都も、上野や浅草を含む都内10カ所を重点的に整備すべき地区として計画しております。本区におきましても、現在、国や都の方針を踏まえつつ、区施設への整備に関する方針や、区内の関係団体との連携を検討しております。国内外からの来街者を受け入れる基盤が整備され、本区が国際文化観光都市としてその魅力が高まるように、無料公衆無線LANの整備を進めてまいります。
次に、バリアフリー化の推進についてです。全ての人にとって暮らしやすい環境を整備するとともに、観光においでになる方々へのおもてなしの観点からも、区内のユニバーサルデザインやバリアフリー化を進めることは非常に重要な課題であると認識いたしています。現在は各事業者が、台東区バリアフリー基本構想及び台東区バリアフリー特定事業計画に基づき、鉄道駅・道路等の特定事業の実施に着実に取り組んでいるところであります。今後はさらにホームドア設置を区からの補助対象とするとともに、事業者に対しては新たなバリアフリールートの追加等、利便性向上を強く働きかけて、特定事業計画を充実させてまいります。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、ユニバーサルデザインやバリアフリー化の推進をより加速させ、全ての人に優しいまちの実現に取り組んでまいります。
青鹿公男
- かっぱ橋本通りの道路整備について
1.電線類地中化事業について
2.シンボリックな道路整備について - 蔵前小学校の改築について
1.蔵前小学校の改築に伴う旧柳北小学校への通学について
2.蔵前小学校の新校舎について
◆7番(青鹿公男 さん) このたび4月に行われました台東区議会議員選挙において、大好きな台東区で働く機会を与えていただきました、つなぐプロジェクトの青鹿公男です。
貴重なお時間をいただきまして、本当にありがとうございます。区民の皆様の安全・安心のために、現場に足を運び、肌に感じたニーズに応えてまいります。どうかよろしくお願いいたします。
服部区長、区長就任まことにおめでとうございます。服部区長とは今までも小学校の周年行事等でお会いし、いろいろなお話をいただいてまいりました。今後もさらにご教授いただくことが多々あると思いますが、よろしくお願い申し上げます。
私ごとで恐縮でございますが、幼稚園のPTA会長、その後、小学校のPTA会長を5年間務めさせていただき、保護者の皆様、そして地域の皆様と台東区の教育方針、そして教育環境について真剣に話し合ってまいりました。また、地元では青年部長を6年務めさせていただき、祭礼だけではなく、夏の子供祭りや年末の夜警等に携わり、地元の先輩や後輩とまちを、そして地域をどう盛り上げていくかというのを語り合ってまいりました。今後は、議員として話し合ってきたことを着実に具現化するために日々努力をしてまいります。
それでは、質問に移らせていただきます。私からは、大きく2点お伺いさせていただきます。
初めに、かっぱ橋本通りの道路整備について、2点ご質問をさせていただきます。
1点目は、電線類地中化事業についてです。
台東区無電柱化基本方針に基づき、安全で快適な歩行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止など、都市機能の向上を目的とし、電線類地中化事業の対策地域として、かっぱ橋本通りと、そして馬道通りの2カ所が指定されました。馬道通りは全長約500メートルを4分割に、そしてかっぱ橋本通りについては約1,000メートルを3分割にして事業が進められております。しかし、事業の経過の中で不明管と呼ばれる所有者不明の埋設管路が出てきたり、地権者との工事内容の調整等により完成時期が数年ずつ延びて、馬道通りについては平成27年が28年と1年延期となっております。
かっぱ橋本通りに至っては、当初、完成予定の平成26年より大幅に5年のスケジュールが延びてしまい、現在、完成予定となっている31年はオリンピック開催のまさに直前となっております。かっぱ橋本通りは、上野と浅草六区をつなぐ台東区のメーン通りとして、またスカイツリーのベストスポットとして多くの観光客が今現在来街されております。
しかし、現在、工事中のため路面が仮舗装の状態で見た目も悪く、特に夜は暗く、国際通りから松が谷方面に向かっては入りづらい状況となっております。また、本年4月には、かっぱ橋本通り沿いの店舗で火事がありまして、地上の電線が障害となって、はしご車のはしごが伸ばせず、消火作業がおくれるという事件もございました。
多くの来街者の方々に快適で安全なかっぱ橋本通りを楽しく過ごしていただくためにも、台東区のメーン通りとして本来の姿を一刻も早く取り戻すよう、行政としてより一層のご努力をいただき、工事の早期完了に向けて努めていただきたいと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。
点目は、かっぱ橋本通りのシンボリックな道路整備について伺います。
台東区は、平成23年に作成した台東区景観計画の中で、景観形成方策として重点的な区域を景観基本軸、景観形成特別地区、景観育成地区、下町景観形成地域の4つに指定し、地域固有の景観特性を生かしたきめ細やかな景観形成を目指しております。その景観基本軸として設定されました地域は、隅田川、神田川、浅草通り、中央通り、雷門通り、そしてかっぱ橋本通りの6カ所となっております。そのうち区道として扱われているのは雷門通りとかっぱ橋本通りの2カ所となっております。
かっぱ橋本通りにつきましては、電線類地中化を新たな起点として、さらに商店街振興効果が出せるようにすべきであり、東京都が浅草通りをシンボルロードとして整備したように、かっぱ橋本通りを台東区版のシンボルロードと位置づけていただき、特色ある回遊性を持った道路に整備すべきと考えております。商店街など地域の声もしっかりと聞きながら、特色のあるシンボリックな道路となるよう、かっぱ橋本通り電線類地中化後の整備をしっかりと行うべきと考えておりますが、区長のご所見をお伺いいたします。
次に、蔵前小学校関連について、今度は2点ご質問をさせていただきます。
蔵前小学校は、平成15年に小島小学校、精華小学校、済美小学校の3校が合併しました20町会にわたる学区域が大変広い小学校となっております。蔵前小学校は、創立から10年間に13学級から15学級となり、区の将来推計によれば、これからも児童数はふえ、ピーク時は平成37年から40年にかけて最大23学級が必要になると予測されております。その児童数増加に対応すべく区は新校舎建設を決定し、工事期間中の仮校舎を旧柳北小学校に決定いたしました。普通教室18学級分が確保でき、校庭、体育館、プールが一体になっていて、さらに耐震化されているという条件を満たしていることが、今回、旧柳北小学校にした理由であると伺っております。
仮校舎が旧柳北小学校になったことから、学区域として一番遠い距離である田原町駅周辺から旧柳北小学校までの距離は、安全な道を通りますと約1.8キロありまして、通学するには毎日子供の足で約30分から40分かけて行かなければなりません。また、田原町駅から旧柳北小学校までの通学路には、大変交通量の多い春日通り、そして蔵前橋通りの大通りを2つも渡らなければならなくなり、特に低学年の児童については安全面でかなり危険と思われます。
ちなみに、自分で田原町駅から左衛門橋通りを通って旧柳北小学校まで行ったところ、信号を伴う交差点が12カ所もあり、事故に遭う可能性が非常に高くなるのではと不安を感じずにはいられませんでした。低学年の児童だけでなく、体力的に難しい児童、けが等をされている児童、そして支援学級の児童が利用できるよう、児童の安全確保や体力的な負担を考慮し、スクールバスを出すなど安全策の強化が必要と考えますが、教育長のご所見をお伺いいたします。
また、改築工事期間は、今回2016年から2019年の予定となっており、現在の3年生が卒業式を新校舎で挙行できるように配慮されたスケジュールと伺っております。子供たちの気持ちや通学の負担を考えますと、保護者の方々から、なぜ3年近くもかかるのか、もっと工事期間を短縮できるのではないかとの声が上がるのも当然だと思います。子供たちも、一日でも早くもとの場所に戻り、もとの学校生活がしたいはずです。新校舎の工事期間が短縮できるよう検討すべきと考えますが、教育長のご所見をお伺いいたします。
加えまして、新校舎の設計に当たっては、今後さらなる活用が見込まれるICT、情報通信技術ですとか、この辺を十分に発揮できる環境の整備や将来における空き教室の活用などを考慮した動線設計など、中長期的な視点は重要でありまして、地域住民の声を反映し、地域の中核施設として多目的に使用できる施設となるよう設計すべきと考えますが、教育長のご所見をお伺いさせていただき、私の質問を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(太田雅久 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。
区長。
(区長服部征夫さん登壇)
◎区長(服部征夫 さん) 青鹿議員のご質問にお答えいたします。
ご質問の第1は、かっぱ橋本通りの道路整備についてでございます。
まず、電線類地中化事業についてです。
現在実施中のモデル事業につきましては、道路の幅員の関係や地下埋設物の状況、夜間作業の制限などにより、スケジュールに大きな影響が生じております。こうした状況でございますが、関係事業者との調整を図りながら円滑な工事の進捗に努め、平成31年度の完成を目指してまいります。
次に、道路整備についてです。
地中化の工事につきましては、これまでも地元商店街の皆様と話し合いながら進めてまいりました。工事終了後の復旧にあわせた道路整備につきましても、商店街振興に資するように、地元の皆様のご意見を伺いながら進めてまいります。
その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。
○議長(太田雅久 さん) 教育長。
(教育長和田人志さん登壇)
◎教育長(和田人志 さん) 青鹿議員の蔵前小学校の改築についてのご質問にお答えさせていただきます。
まず、蔵前小学校の改築に伴う旧柳北小学校仮校舎への通学についてでございます。
通学路における児童の安全対策は、本改築計画の中でも大変重要な課題と認識いたしております。そのため、議員ご提案の内容も含め、登下校時の見守りや通学経路・方法について、学校、保護者、地域関係者と協議を進めており、今後、具体的な内容を検討してまいります。
次に、蔵前小学校の新校舎についてでございます。
工事期間につきましては、基本・実施設計の中で、できるだけ効率的な工法を踏まえながら決定してまいります。また、新校舎の設計に当たりましては、学校、地域関係者のご意見を反映しながら、将来必要となる施設規模の確保やICTを初めとする多様な学習活動への対応など、新しい時代に即した教育環境の整備も視野に入れてまいります。